清里高原・標高1230mのビール醸造所で、
八ヶ岳南麓の清冽な天然水を使い、
モルト(麦芽)に宿るコクとうまみをとことん引き出す。
雑味のないクリアでモルティなビールをつくりたい。
最高にうまいビールの基準は、いつの時代も同じだ。
PHILOSOPHY
八ヶ岳ブルワリーのビールづくり“モルトセントリック”な冒険に出よう
粉砕した麦芽(MALT)をお湯に投入し、適温でデンプンを糖に変え、酵母の力でアルコール発酵させる。ビールを生み出す原理自体はシンプルですが、それを具現化する醸造(BREWING)のあらゆる工程には無数のファクターが存在します。それらを幾重にも組み合わせた複雑な方程式から最適解を導くことによってのみ、真に芳醇なモルトフレーバーは実現します。
「八ヶ岳ビール タッチダウン」の醸造元である八ヶ岳ブルワリーは、麦芽からエキスを抽出する仕込み工程で、“第2の釜”を使ったドイツ発祥の伝統手法「デコクション」を1997年の醸造所設立時から採用しています。手間はかかりますが、麦芽感を引き出すために不可欠なプロセス。じっくり、ゆっくり、繊細な温度管理とともに麦汁の加熱や“寝かせ”を繰り返していきます。
麦芽に宿る酵素の力を呼び起こし、発酵のエネルギー源(=糖)とともに、コクやうまみの素となるアミノ酸等を余すところなく抽出。秒刻みの厳格な時間管理でホップを投入したのち、独ヴァイヘンシュテファン醸造研究所から空輸した世界最高品質の生酵母に独自のエアレーション(空気混和)を行って、豊穣な風味につながる活発な酵母活動を引き出します。
すべてはクリアでモルティなビールをつくるため。あらゆる工程に醸造家たちの情熱と感性、そして醸造所設立時から受け継ぐノウハウが詰め込まれています。コク深くスッキリとした麦芽の“うまみ”を引き出すことで、最高のビールは生まれる。そんな、伝統と革新が同居するMALT CENTRIC BREWINGの精神とともに、八ヶ岳ブルワリーの冒険はこれからも続きます。
HISTORY
八ヶ岳ブルワリーの出発点は、“第一次地ビールブーム”のさなか、かつてキリンビールで「一番搾り」等の醸造開発責任者を歴任した日本最高峰のビール職人 山田一巳(やまだ・かずみ)が清里へやって来た1997年に遡ります。
40年以上勤めたキリンビールを定年退職した山田に「清里で山田さんのビールをつくって欲しい」というラブコールを送ったのは、清里「萌木の村」創業者である舩木上次(ふなき・じょうじ)。呼びかけに応じた山田は、自身の経験のすべて注ぎ、清里の地で再びビールづくりに情熱を注ぐこととなりました。
そうして生まれたビールが「八ヶ岳ビール タッチダウン」です。タッチダウンの名は、“清里開拓の父”と言われるポール・ラッシュ博士(Paul Rusch:1897~1979)が、アメリカンフットボールを日本に広めた伝道師としても知られることから名付けられました。
創業から20有余年の時が流れた現在は、山田の夢を受け継いだ若き醸造家たちが躍動する新しい時代に。当ブルワリーはこれからも創業時と変わらない情熱で、清里高原から最高のクラフトビールを生み出し続けていきます。